116B36

35歳の男性。登山道脇で動けなくなっているところを発見された。ドクターカーで出動した医師が登山口で待機していた。現地の天候は雨、気温は10℃。医師がこの男性に接触した時、意識レベルはJCS II-30。体温(直腸温)31.4℃。脈拍58/分、整。血圧102/62mmHg。呼吸数30/分。SpO2は測定できず、末梢循環不全によるものと考えられた。

病院前救護として誤っているのはどれか。

全身を毛布で覆う。
濡れた衣服を脱がせる。
アドレナリンを静注する。
加温した輸液を投与する。
清拭して外傷を確認する。

解答: c

116B36の解説

【プロセス】
①登山道脇で動けなくなった
②現地の天候は雨、気温は10℃
③意識レベルはJCS II-30
④体温(直腸温)31.4℃
☞②④より偶発性低体温症と考えられる。これにより③を呈し、①になったのだろう。

【選択肢考察】
a 保温のため、全身を毛布で覆う。
b 濡れた衣服を来たままでは体温がますます低下してしまうため、脱がせる。
c 誤り。心停止に至っているわけではないため、 アドレナリン静注は行わない。
d 40℃程度に加温した輸液を投与することで、能動的加温ができる。
e 低体温に気をとられる余り、外傷による出血などを見落としてしまう事態は避けたい。清拭の上、外傷を確認したい。

正答率:99%

テーマ:低体温症患者への病院前救護

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし