114F56

28歳の初妊婦(1妊0産)。妊娠12週に自宅近くの診療所で実施した血液検査で異常を指摘され、妊娠16週に紹介され受診した。検査結果を表に示す。

検査項目  計測値   基準値 
風疹抗体〈HI〉 8倍未満 8倍未満
HTLV-1抗体〈PA〉 陽 性 陰 性
トキソプラズマ抗体〈PHA〉 320倍 160倍未満
RPR 32倍 1倍未満
TPHA 640倍 80倍未満
C型肝炎ウイルス抗体〈EIA〉 陽 性 陰 性

妊婦への説明として適切なのはどれか。

「風疹ワクチンを接種しましょう」
「成人T細胞白血病ウイルス感染の精密検査が必要です」
「トキソプラズマの母子感染のリスクはありません」
「梅毒に感染している可能性はありません」
「出産後、赤ちゃんにC型肝炎ウイルスのワクチンを接種しましょう」

解答: b

114F56の解説

a 風疹抗体〈HI〉は8倍未満であり、確かに低抗体価である(基準値を満たしているから大丈夫というわけではないので注意)。しかしながら、風疹ワクチンは生ワクチンであり、妊婦に禁忌。分娩後早期にワクチン接種を推奨すべきだ。★禁忌★
b 正しい。HTLV-1抗体が陽性であり、精密検査を行いたい。
c トキソプラズマは母子感染リスクあり。
d RPR・TPHAともに異常値を呈しており、梅毒に感染していると考えられる。
e 114回出題時点でC型肝炎に対するワクチンは存在しない。

正答率:98%

テーマ:妊娠初期の感染症スクリーニング検査結果を受けた妊婦への説明

フォーラムへ投稿

関連トピック