114F55

17歳の女子。体重減少を主訴に来院した。2年前から摂食量を意識的に減らすようになり、学校における定期健康診断でやせを指摘された。医療機関への受診を指導されたが受診しなかったという。その後も体重がさらに減少しており、心配した母親に付き添われて受診した。身長150cm、体重27kg。体温36.1℃。脈拍52/分、整。血圧90/50mmHg。前腕や背部に産毛の増生を認める。下腿に軽度の圧痕浮腫を認める。

この患者で認められる可能性が高いのはどれか。

GHが高値である。
月経周期は正常である。
LH/FSH比が高値である。
コルチゾールが低値である。
遊離トリヨードサイロニン〈FT3〉が高値である。

解答: a

114F55の解説

若年女子の摂食量低下と体重減少。神経性食欲不振症〈AN〉の判断はしやすい。あとは実質的に一般知識勝負だ。
a 正しい。血糖値を上昇させるべく、GHは高値となる。
b 月経異常(無月経)がみられる。
c LH、FSHともに低下する。そのため、比は一般に変わらない。LH/FSH比が高値となるのは多囊胞性卵巣症候群〈PCOS〉。
d 血糖を上昇させるべく、コルチゾールが高値となる。
e 代謝を抑制すべく、FT3は低値となる。

正答率:64%

テーマ:神経性食思不振症〈神経性食欲不振症〉〈AN〉について

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