114D72

28歳の女性。発熱と左前胸部痛を主訴に来院した。5日前から咽頭痛と37.5℃前後の発熱があったが、市販の感冒薬で様子をみていた。昨日から左前胸部の持続性の痛みが生じ、その痛みは深呼吸で増悪するという。既往歴、家族歴に特記すべきことはない。体温37.5℃。脈拍100/分、整。血圧112/60mmHg。呼吸数20/分。SpO2 97%(room air)。心音では心膜摩擦音を聴取する。打診で左下胸部に濁音を認め、同部位で肺胞呼吸音の減弱を認める。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。

現時点で行うべきなのはどれか。3つ選べ

心電図
呼吸機能検査
心エコー検査
胸部エックス線撮影
トレッドミル運動負荷心電図

解答: a,c,d

114D72の解説

発熱と左前胸部痛とを主訴に来院した28歳女性。深呼吸にて増悪する痛みであること、心膜摩擦音を聴取することから急性心膜炎を考える。左下胸部の濁音と肺胞呼吸音減弱は胸水貯留によるものであろう。
a 正しい。急性心膜炎であれば広範なST上昇を認める。
b 閉塞性障害や拘束性障害の判別に用いる検査。COPDなどに有効。
c 正しい。急性心膜炎では心嚢水貯留をみる。また、急性心膜炎にはしばしば心筋炎を合併して、心の動きが悪くなることがある。これらを心エコー検査で評価したい。
d 正しい。胸水貯留の程度や心拡大の有無を評価可能。
e 労作性狭心症の検査である。

正答率:99%

テーマ:急性心膜炎の検査

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