114D20

22歳の男性。動悸、発汗および手指の振戦を主訴に来院した。3か月前から朝食前や夕食前に、動悸と発汗を自覚するようになった。食事を摂ると症状は消失するという。現在内服中の薬剤はない。父方祖母がグルカゴノーマに罹患している。意識は清明。身長171cm、体重62kg。脈拍68/分、整。血圧136/80mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球464万、白血球3,900、血小板24万。血液生化学所見(朝食後2時間):尿素窒素13mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、血糖120mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 106mEq/L。24時間持続ブドウ糖モニターの結果を別に示す。

診断に必要な検査はどれか。

絶食試験
水制限試験
TRH負荷試験
LHRH負荷試験
グルカゴン負荷試験

解答: a

114D20の解説

若い男性の動悸、発汗および手指の振戦。食事を摂ると症状は消失しており、低血糖発作と考えられる。膵内分泌腫瘍の家族歴もあり、インスリノーマが疑われる。画像では空腹時の低血糖と食事による改善がみてとれる。
a 正しい。インスリノーマの診断に有用な検査である。
b 尿崩症の鑑別に有効。
c 下垂体由来のTSH分泌能を確認するために有効。
d 下垂体由来のゴナドトロピン分泌能を確認するために有効。
e 糖尿病のコントロールが安定してきたタイミングで内因性のインスリン分泌能をみるために有効。

正答率:63%

テーマ:インスリノーマの診断に必要な検査

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