114C59

25歳の初妊婦(1妊0産)。妊娠34週4日に周産期管理のため、自宅近くの産科診療所から紹介されて来院した。既往歴、家族歴に特記すべきことはない。身長160cm、体重59kg。体温36.6℃。脈拍80/分、整。血圧120/72mmHg。内診時の帯下ではBTB試験紙の色の変化はなかった。腹部超音波検査で胎児は頭位で、推定体重は2,050g、羊水指数〈AFI〉は3.8cmだった。臍帯断面の超音波像(A)及びノンストレステスト〈NST〉の結果(B)を別に示す。

説明として正しいのはどれか。2つ選べ

「絶対安静が必要です」
「前期破水が疑われます」
「羊水過少が疑われます」
「今日中に分娩にする必要があります」
「赤ちゃんの先天的な病気の精密検査が必要です」

解答: c,e

114C59の解説

妊娠34週の初妊婦。本文を読む限りでは、AFIが低値(つまり羊水過少)ということくらいしか指摘できない。胎児心拍数陣痛図(画像B)でもreactive所見がみられ、良好だ。診断には画像Aの矢印部分が読めねばならない。本来であれば2本あるはずの臍帯動脈が1本しか存在しておらず、臍帯動脈欠損症〈単一臍帯動脈〉と考えられる。
a 羊水過少以外に異常所見はなく、絶対安静までは不要。
b 帯下のBTB試験紙の変色はなく、破水はしていないと考えられる。
c 正しい。上記の通り。
d 羊水過少以外に異常所見はなく、分娩を急ぐ必要はない。
e 正しい。本疾患には心や泌尿器、生殖器の先天奇形を合併しやすいことが知られている。また、18トリソミーなど染色体異常にも関連する。

正答率:69%

テーマ:臍帯動脈欠損症〈単一臍帯動脈〉の妊婦への説明

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