114C60

次の文を読み、以下の問いに答えよ。

46歳の女性。急性虫垂炎の手術のため入院中である。

現病歴:3日前に急性虫垂炎のため虫垂切除術を施行した。昨日から38.0℃の発熱を認めているため、本日の朝に診察を行った。

既往歴:特記すべきことはない。

生活歴:喫煙歴と飲酒歴はない。

家族歴:父親が膵癌のため68歳で死亡。

現 症:意識レベルはJCS I-1、GCS 15(E4V5M6)。身長155cm、体重48kg。体温37.2℃。脈拍112/分、整。血圧78/40mmHg。呼吸数28/分。SpO2 94%(room air)。頸部リンパ節に腫脹を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は左下胸部で減弱し、coarse cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腹部の手術創部に異常を認めない。背部に叩打痛を認めない。両下腿に浮腫を認める。

検査所見:血液所見:赤血球388万、Hb 11.2g/dL、Ht 36%、白血球9,800(桿状核好中球39%、分葉核好中球45%、好酸球3%、好塩基球2%、単球4%、リンパ球7%)、血小板18万、Dダイマー3.4μg/mL(基準1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白6.5g/dL、アルブミン2.9g/dL、尿素窒素21mg/dL、クレアチニン1.2mg/dL、Na 139mEq/L、K 4.1mEq/L、CI 108mEq/L。CRP 12mg/dL、乳酸14mg/dL(基準5〜20)。胸部エックス線写真を別に示す。血液培養2セットからKlebsiella pneumoniaeが検出された。

診断として最も考えられるのはどれか。

肺炎
腎盂腎炎
創部感染
急性胆管炎
化膿性脊椎炎

解答: a

114C60の解説

術後の中年女性。発熱、呼吸音の減弱、coarse crackles聴取、白血球・CRP上昇などから細菌性肺炎が考えやすい。画像では左下肺野の透過性低下がみられている。血液培養結果からはクレブシエラ肺炎と考えられる。
a 正しい。上記の通り。
b 背部の叩打痛をみるはずである。
c 腹部の手術創部に異常を認めるはずである。
d 右季肋部痛など腹部所見がみられるはずである。
e 背部の叩打痛をみるはずである。

正答率:97%

テーマ:【長文1/3】肺炎の診断

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