114C48

67歳の女性。健康診断で胸部エックス線写真の異常陰影を指摘され、精査目的に来院した。喫煙歴は25本/日を47年間。体温36.4℃。脈拍64/分、整。血圧124/76mmHg。呼吸数16/分。SpO2 97%(room air)。胸部CTで異常を認めたため、気管支鏡下に擦過細胞診を施行した。胸部エックス線写真(A)、胸部CT(B)及び擦過細胞診のPapanicolaou染色標本(C)を別に示す。

診断はどれか。

腺癌
小細胞癌
大細胞癌
扁平上皮癌
カルチノイド

解答: d

114C48の解説

喫煙歴のある高齢女性の胸部エックス線異常陰影。画像ではA, Bにて左上肺野の結節影を指摘可能。Cにてオレンジ色に染まる異型細胞が描出されることから肺扁平上皮癌の診断。
a 画像Bからは末梢に存在し、胸膜陥入像を指摘可能。これは腺癌で有名な所見のため、10%弱の受験生が選んでしまった。確かに気持ちは分かるのだが、最優先されるべきは病理画像である。腺癌であれば、ブドウの房状の異型細胞集簇をみるのが典型的。
b 小細胞癌であれば病理画像にて異型細胞の散在をみる。
c 大細胞癌であれば、病理画像で文字通り大型の細胞をみる。
d 正しい。上記の通り。
e カルチノイドでは小型で比較的均一な腫瘍細胞の索状・リボン状増殖をみる。

正答率:60%

テーマ:肺扁平上皮癌の診断

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