114C47

42歳の男性。健康診断で異常を指摘されたため受診した。既往歴、家族歴に特記すべきことはない。喫煙歴は20本/日を13年間。飲酒はビールを500mL/日。身長167cm、体重78kg、腹囲104cm。体温36.4℃。脈拍68/分、整。血圧138/76mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液生化学所見:総蛋白7.5g/dL、アルブミン4.2g/dL、総ビリルビン0.6mg/dL、AST 45U/L、ALT 52U/L、γ-GT 130U/L(基準8〜50)、尿素窒素28mg/dL、クレアチニン1.0mg/dL、尿酸7.9mg/dL、空腹時血糖130mg/dL、HbA1c 6.8%(基準4.6〜6.2)、トリグリセリド250mg/dL、HDLコレステロール33mg/dL、LDLコレステロール142mg/dL。

まず行うべきなのはどれか。

降圧薬投与
ニコチン補充療法
75g経口ブドウ糖負荷試験
生活習慣に関する詳細な聴取
週3回以上のジョギングの推奨

解答: d

114C47の解説

腹囲>85cm、空腹時血糖>110mg/dL、収縮期血圧>130mmHg、トリグリセリド>150mg/dL、HDLコレステロール<40mg/dLと項目をすべて満たすため、メタボリックシンドロームの診断となる。
a 高値血圧であり、降圧薬投与はまず考慮されるものではない。
b 喫煙しているが、まずは禁煙できないか考慮すべき。いきなりニコチン補充療法へは進まない。
c 空腹時血糖>126mg/dL、HbA1c>6.5%よりすでに糖尿病の診断はつく。これ以上の負荷試験は不要。
d 正しい。まず行う、ときたらこれであろう。
e 運動習慣についての記載がなく、いきなりジョギング推奨というのも乱暴だ。もし心血管系の異常があった場合、運動による突然死などのリスクもある。まずは生活習慣に関する詳細な聴取を行いたい。

正答率:99%

テーマ:メタボリックシンドロームの中年男性にまず行うべきこと

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