114B6

救急外来で小児を診察した研修医から指導医への報告を以下に示す。

研修医:「8か月の男児です。2日前から38℃台の発熱、咳嗽、鼻汁が続くため来院しました。保育所で同じような症状のお子さんがいるようです。4種混合ワクチンは2回接種されています。眼球結膜の充血はありません。軽度の喘鳴を認めました。鼻汁がひどくSpO2がルームエアーで94%であり、入院も考慮する必要があると思います」

指導医:「患児の外観はどうですか」

研修医:「少しぐったり感があり、機嫌が悪いです」

指導医:「呼吸状態はどうですか」

研修医:「軽度の陥没呼吸がみられます」

指導医:「皮膚色はどうですか」

研修医:「チアノーゼはなく、毛細血管再充満時間は2秒未満でした」

指導医:「発疹はありますか」

研修医:「ありません」

指導医:「鑑別診断のため患児に必要な検査は何ですか」

これに続く研修医の返答として最も適切なのはどれか。

「咽頭溶連菌迅速検査を行います」
「鼻腔RSウイルス迅速検査を行います」
「尿中肺炎球菌抗原迅速検査を行います」
「咽頭アデノウイルス迅速検査を行います」
「咽頭マイコプラズマ迅速検査を行います」

解答: b

114B6の解説

指導医と研修医との対話問題。上気道症状を認めている8か月児で予想される病原体を考える。
a 溶連菌感染であれば、咽頭痛が前面に出るはず。
b 正しい。急性細気管支炎(原因としてRSウイルスが最多)の可能性が高い。
c 聴診でのcoarse cracklesなど、肺炎球菌性肺炎を疑わせる所見に乏しい。
d アデノウイルス感染であれば咽頭痛が前面に出るはず。また、結膜炎も呈しやすい。
e マイコプラズマ肺炎であれば発疹がみられやすい。むろん発疹がみられないこともあるが、少なくともこの情報から第一に考える病原体ではない。

正答率:85%

テーマ:急性細気管支炎の小児について指導医への返答

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