114B43

次の文を読み、以下の問いに答えよ。

65歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。

現病歴:午前8時に農作業に行くと家族に伝えて外出した。昼食の時間になっても帰宅しないため家族が様子を見に行ったところ、ビニールハウス内で倒れているのを発見し、救急車を要請した。

現 症:救急車からの予備情報によると、意識レベルはJCS III-200。体温39.2℃。心拍数144/分、整。血圧82/40mmHg。呼吸数20/分。SpO2 100%(リザーバー付マスク10L/分酸素投与下)。

直ちに行うべき検査はどれか。

脳波
血糖測定
腰椎穿刺
胸部単純CT
腹部超音波検査

解答: b

114B43の解説

農業従事者が倒れていた、というエピソードから何を考えるかという実戦的問題。体温が39.2℃と高値であること、ビニールハウス内での出来事であること、などを鑑みるに熱中症の可能性が高い。
a 救急外来で直ちに行う性質の検査ではない。
b 正しい。意識障害の原因の1つとして低血糖は念頭におくべきである。血糖測定は簡便に実施可能であるため、選択肢内に他にもっともらしいものが無い以上、これを正答として残す。熱中症を疑うエピソードで血糖測定を正解にするのはいささか強引な感があり、筆者はこの選択肢を自信持ってマルにすることを若干ためらった。が、体温高値とビニールハウスという状況証拠だけから熱中症と断定してしまうのは確かに早計なところもあり、必修問題ということもあり、慎重かつ総合的な鑑別を行うべし、というのが出題者の意図なのであろう。正答率は9割超えであり、大半の受験生は得点できていた。
c 髄膜炎を疑った場合などに行う。
d 胸部の病変を疑った場合に行う。
e 腹部の病変を疑った場合に行う。

正答率:94%

テーマ:【長文1/2】意識障害の患者に直ちに行うべき検査

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