114A57

1歳6か月の男児。出生時に外陰部の異常を指摘されていたが転居を契機に紹介され受診した。在胎39週、出生体重3,180g、Apgarスコア8点(1分)、10点(5分)で出生した。体重10kg、体温36.5℃。脈拍92/分、整。SpO2 97%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。亀頭の一部は包皮から露出し、外尿道口は陰茎と陰嚢の移行部に確認できる。外陰部の写真(A、B)を別に示す。

この患児にみられるのはどれか。

血尿
尿閉
水腎症
陰茎の屈曲
真性尿失禁

解答: d

114A57の解説

本文中最後「外尿道口は陰茎と陰嚢の移行部に確認できる」ということから尿道下裂の診断となる。Aでは陰茎背側の包皮過剰と亀頭露出、陰茎の腹側への屈曲を指摘可能。Bでは陰茎と陰嚢の移行部に外尿道口を指摘可能。
a 尿路で出血を呈する病態ではない。
b 尿道が閉塞する病態ではない。
c 尿路が閉塞する病態ではない。
d 正しい。陰茎腹側の形成されなかった尿道部分が索状構造を形成するため、陰茎は腹側に屈曲する。Aの画像でもそれとなく推し量ることが可能。
e 尿失禁をみる病態ではない。「立ち小便」は困難となるが、排尿したいときに排尿することが可能。

正答率:25%

テーマ:尿道下裂の症候

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