114A58

48歳の男性。歩行障害を主訴に来院した。約5年前からバランスが悪く転びやすくなってきたという。徐々に悪化して、歩行時によろめくようになり、階段昇降では手すりが必要になったため受診した。認知機能は正常である。びっくり眼を認める。筋力低下と感覚障害とを認めない。小脳性運動失調と錐体路徴候とを認めるが、不随意運動を認めない。起立性低血圧と膀胱直腸障害とを認めない。家族歴では、父、父方の祖父および叔父が同様の症状を示していたという。

考えられるのはどれか。

Parkinson病
多系統萎縮症
Huntington病
Machado-Joseph病
ミトコンドリア脳筋症

解答: d

114A58の解説

中年男性の歩行障害。「びっくり眼」というあまりにも強すぎるキーワードが書いてあり、Machado-Joseph病を想起したいところだ。本疾患は脊髄小脳失調症〈SCA〉の3型に分類され、家族歴があること(常染色体優性〈AD〉遺伝する)、小脳性運動失調や錐体路徴候がみられることも矛盾しない。
a 不随意運動や自律神経症状をみる。明確な遺伝形式は知られていない。
b 不随意運動や自律神経症状をみる。明確な遺伝形式は知られていない。
c 常染色体優性〈AD〉遺伝する疾患だが、認知機能障害や不随意運動(舞踏運動)をみるはずである。
d 正しい。上記の通り。
e 母系遺伝する。本患者の家族歴は男性に同様の症状がみられており、否定的。

正答率:87%

テーマ:Machado-Joseph病の診断

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