114A55

77歳の男性。血尿を主訴に来院した。3か月前から時々血尿を自覚していたが、自然に消失していたため医療機関を受診していなかった。2日前から血尿が持続するため受診した。喫煙歴は20本/日を50年間。飲酒は機会飲酒。身長165cm、体重70kg。脈拍72/分、整。血圧120/72mmHg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:沈渣は赤血球100以上/HPF。血液所見:赤血球395万、Hb 12.9g/dL、Ht 38%、白血球8,100。血液生化学所見:総蛋白6.7g/dL、アルブミン3.8g/dL、尿素窒素18mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL。尿細胞診はクラスV。胸腹部造影CT(A、B)を別に示す。

この患者で正しいのはどれか。

再発は膀胱に多い。
扁平上皮癌である。
近位尿細管から発生する。
VHL遺伝子異常が関係する。
腹部ダイナミックCTで早期濃染を呈する。

解答: a

114A55の解説

高齢男性の無症候性血尿。喫煙歴もあり、尿細胞診がクラスV。尿路系の癌を疑う。画像ではA, Bともに右腎盂の腫瘤影と尿うっ滞とがみられる。腎盂癌の診断。
a 正しい。癌細胞が降下し、膀胱癌を合併しやすい。
b 移行上皮癌である。
c 腎細胞癌についての記載である。
d 腎細胞癌についての記載である。
e 腎細胞癌についての記載である。腎盂癌は造影効果に乏しい。

正答率:66%

テーマ:腎盂癌について

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