114A54

22歳の男性。視力低下、昼盲を主訴に来院した。幼少時よりアトピー性皮膚炎を指摘されていた。15歳ころから眼瞼および結膜の掻痒感が強くなり、副腎皮質ステロイド外用薬および点眼薬を使用してきたが、掻痒感が消失しない時に眼部を叩打してきた。1年ほど前から視力低下および昼盲を自覚するようになったという。視力は右0.1(0.9×−3.0D)、左0.1(1.0×−2.5D)。眼圧は右13mmHg、左17mmHg。両眼の散瞳後の前眼部写真を別に示す。細隙灯顕微鏡検査で右眼の前部硝子体に色素散布を認める。

緊急に処置・手術が必要な合併症はどれか。

結膜炎
白内障
円錐角膜
網膜裂孔
後部硝子体剥離

解答: d

114A54の解説

若年男性の視力低下。アトピー性皮膚炎の背景下で眼部を叩打してきたとのことで、裂孔原性網膜剥離が考えやすい。細隙灯顕微鏡で前部硝子体に色素散布を認めるのは、裂孔から色素が入り込んだためであろう。画像では白内障が指摘できる。白内障もアトピー性皮膚炎に合併しやすい病態だ。
a アトピー性皮膚炎に合併することがあるが、本患者では指摘できない。また、万が一存在したとしても緊急対応は不要。
b 白内障は存在するが、緊急対応は不要。
c アトピー性皮膚炎に合併することがあるが、本患者では指摘できない。また、万が一存在したとしても緊急対応は不要。
d 正しい。今回の主訴の原因となったのは裂孔原性網膜剥離と考えられ、緊急対応を要する。
e 本患者に合併していても矛盾はないが、明確に指摘できる記載が本文になく、万が一存在したとしても緊急対応は不要。

正答率:57%

テーマ:緊急に処置・手術が必要な眼科合併症

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