113E45

現 症:意識は清明。身長154cm、体重65kg。体温37.6℃。脈拍92/分、整。血圧110/62mmHg。呼吸数18/分。SpO2 99%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。McBurney点に圧痛があり、反跳痛を認める。Psoas徴候は陰性。

検査所見:尿所見:異常なし。血液所見:赤血球394万、Hb 11.5g/dL、Ht 36%、白血球5,300(桿状核好中球6%、分葉核好中球56%、単球10%、リンパ球28%)、血小板30万。血液生化学所見:尿素窒素12mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、血糖86mg/dL、Na 139mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 105mEq/L。CRP 4.0mg/dL。妊娠反応陰性。心電図、胸部・腹部エックス線写真に異常を認めない。

急性虫垂炎の診断のためAlvarado scoreを使用することとした。点数別の感度・特異度を以下に示す。

項目 点数
右下腹部への痛みの移動 1点
食思不振 1点
嘔吐 1点
右下腹部圧痛 2点
反跳痛 1点
37.3℃以上の発熱 1点
白血球数10,000以上 1点
白血球の左方移動(多核好中球≧75%) 1点

Alvarado score=合計点

合計点 感度 特異度
4点 98% 30%
7点 70% 70%
9点 30% 95%

解釈として正しいのはどれか。

この時点で虫垂炎と確定診断できる。
この診断基準の感度と特異度は有病率の影響を受ける。
虫垂炎の確定診断のために追加の検査が必要である。
Alvarado scoreが高いほど、虫垂炎の重症度が低い。
Alvarado scoreが低いほど、確定診断に適している。

解答: c

113E45の解説

心窩部痛からの右下腹部痛であり、急性虫垂炎を疑う。本文と1つ1つ項目を照らし合わせるにAlvarado scoreは合計7点であり、表より感度は70%と分かる。
a これだけでは虫垂炎と確定診断できない。
b 感度と特異度は検査特性によるものであり、有病率の影響は受けない。
c 正しい。aで示したように、まだ確定診断には至っていない。画像検査等により、確定診断を行うべきだ。
d Alvarado scoreが高いほど、虫垂炎の感度が低い。
e Alvarado scoreが低いほど、虫垂炎の感度が高い。すなわち除外診断に適している。

正答率:95%

テーマ:【長文2/2】Alvarado scoreの解釈

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