113E44

次の文を読み、44、45の問いに答えよ。

46歳の女性。腹痛のため救急外来を受診した。

現病歴:2日前の起床時から軽度の心窩部痛があった。朝食は普段どおりに食べたが、その後食欲不振と悪心が出現し、昨日の昼食後に嘔吐した。本日、心窩部痛はなくなったが右下腹部痛が出現した。疼痛は食事で増悪しないが、歩くとひびき、疼痛が持続するため救急外来を受診した。悪寒戦慄はなく、下痢や黒色便を認めない。排尿時痛や血尿を認めない。3日前にバーベキューをしたが、同様の症状を呈した人は周りにいない。

既往歴:20歳時にクラミジア感染。

生活歴:喫煙は20本/日を26年間、飲酒はビールを350mL/日。初経13歳、月経周期は28日型、整。最終月経は2週間前。不正性器出血はない。

救急科の研修医が腹部の診察を行う際の対応として適切なのはどれか。

「腹部の診察は服の上から行います」
「先に婦人科に診察をしてもらいましょう」
「診察の前に腹部のCT検査を受けてもらいます」
「まず私一人で腹部の診察を始めてもよろしいでしょうか」
「腹部の痛いところから触診しますので、痛む場所を教えてください」

解答: d

113E44の解説

中年女性の腹痛。まずは研修医として一般的な診察を行う際の必修的対応が問われている。
a 服の上からでは十分な診察ができない。
b 救急外来に患者さんはやってきたわけで、まずはこの研修医が診察すべきだ。必要に応じて婦人科受診を依頼する。
c 46歳とは言え、妊娠の可能性はゼロとはいえない。そのため妊娠を除外せずして被曝する検査であるCTを行うのは禁忌。なお、たとえ男性患者だったとしても「診察の前に腹部のCT検査」は手順としておかしい。まずは診察を行うべき。
d 正しい。看護師の立ち会いが望ましいが、救急外来では人員配置の都合から立ち会えないこともある。このように許可をとってから診察することが望ましい。
e 腹部の痛いところの触診は最後にまわす。

正答率:86%

テーマ:【長文1/2】研修医が腹部の診察を行う際の対応

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