113E45のAlvaradoスコアの表の最後の項目に「核の左方移動(多核好中球≧75%)」とありますが、「多核好中球」って何ですか?
「桿状核好中球が15%以上もしくは明らかに増えてる場合を核の左方移動と言う」の様な理解を自分ではしていたんですが、桿状核好中球割合が正常値で分葉核好中球割合が明らかに高値の場合にも、核の左方移動と言うのでしょうか?
のりすけさん
Alvarado先生の原著みてみると、「多核」という言葉はなくてneutrophilsとしか記載ないですね。桿状核球(Band)と分葉核球(Seg)の合計なのではないでしょうか。1986年で結構古い論文ですし、ルーチンでBandとSegを分けて測るのが難しかったのでしょうかね?
Shift to the left. A differential white count with shift to the left (eg, neutrophils of more than 75%) is also a useful indicant in acute appendicitis.
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0196064486809933?via%3Dihub
Alvarado scoreは俗にMANTRELS scoreとも言われますが(↓のCQ25参照)、後世の人が思いついた語呂合わせではなくて原著からそう書いてあるのだと知れて勉強になりました
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/minds/acute-abdomen/acute-abdomen-chapter6.pdf
のりすけさん
臨床上、核の左方移動の定義に関しては、おっしゃる通りで、「桿状核好中球が15%以上」というのがよく知られた定義かと存じます。
一方で、国家試験上では本問題の様にやや混同のあるところかと思います。
しかし正解に大きく影響を感じたことはないと個人的には思っております。
この問題の場合も含め特に気にせず誘導に乗るようにしています。
どっこいしょさんの仰った背景もある様ですので。
どっこいしょさん
大変勉強になりました。
参考にさせていただきます。
どっこいしょさん けい☆ちゃんさん
お二人とも有難うございます!
勉強になったと同時に不安な事を再確認でき安心しました。
本当にありがとうございました。
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現 症:意識は清明。身長154cm、体重65kg。体温37.6℃。脈拍92/分、整。血圧110/62mmHg。呼吸数18/分。SpO2 99%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。McBurney点に圧痛があり、反跳痛を認める。Psoas徴候は陰性。
検査所見:尿所見:異常なし。血液所見:赤血球394万、Hb 11.5g/dL、Ht 36%、白血球5,300(桿状核好中球6%、分葉核好中球56%、単球10%、リンパ球28%)、血小板30万。血液生化学所見:尿素窒素12mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、血糖86mg/dL、Na 139mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 105mEq/L。CRP 4.0mg/dL。妊娠反応陰性。心電図、胸部・腹部エックス線写真に異常を認めない。
急性虫垂炎の診断のためAlvarado scoreを使用することとした。点数別の感度・特異度を以下に示す。
項目 | 点数 |
右下腹部への痛みの移動 | 1点 |
食思不振 | 1点 |
嘔吐 | 1点 |
右下腹部圧痛 | 2点 |
反跳痛 | 1点 |
37.3℃以上の発熱 | 1点 |
白血球数10,000以上 | 1点 |
白血球の左方移動(多核好中球≧75%) | 1点 |
Alvarado score=合計点
合計点 | 感度 | 特異度 |
4点 | 98% | 30% |
7点 | 70% | 70% |
9点 | 30% | 95% |
解釈として正しいのはどれか。