113D56

52歳の女性。左手の小指と環指のしびれを主訴に来院した。3か月前から左手の小指と環指にしびれが続いていたが、2週間前から仕事でキーボードが打ちづらくなったため受診した。2年前から糖尿病に対し経口糖尿病薬で治療中であり血糖コントロールは良好である。身長158cm、体重57kg。左手掌の尺側と環指、小指に感覚鈍麻があり、左上肢の尺側手根屈筋、環指と小指の深指屈筋、第一背側骨間筋、小指外転筋の筋力は徒手筋力テストで2。左第一背側骨間筋に筋萎縮を認める。末梢神経伝導検査を別に示す。

最も考えられるのはどれか。

頸肩腕症候群
頸椎神経根症
肘部管症候群
胸郭出口症候群
糖尿病性ニューロパチー

解答: c

113D56の解説

中年女性の左手の小指と環指のしびれ。該当箇所は尺骨神経で支配されており、どうして尺骨神経が障害されてしまったのか、がポイントとなる。画像では左の運動神経伝導検査で肘より中枢側の刺激時、伝導ブロックがみられる。感覚神経伝導検査では健側に3つみられるM波が1つしかみられていない。これより肘部で尺骨神経のみ障害される病態を疑うこととなる。
a 頸肩腕症候群でもしびれがみられるが、原因は自律神経と考えられている。尺骨神経に限定された障害はみられない。
b・d・e これら病態では肘の前後で変化はみられない。
c 正しい。肘部管には尺骨神経が走行する。これにより肘部で尺骨神経に限定された障害がみられる。

正答率:79%

テーマ:肘部管症候群の診断

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