113D55

24歳の男性。球脊髄性筋萎縮症と診断され、遺伝カウンセリングを受けている。16歳の妹への疾患遺伝の影響が心配だという。

適切な対応はどれか。

「妹さんが成人するまで言わないでおきましょう」
「妹さんに症状が出た段階で遺伝子検査をしましょう」
「妹さんの遺伝子検査を行いますのでお連れください」
「女性は発症しないので遺伝子検査の必要はありません」
「まずは妹さんにこの病気のことを知ってもらいましょう」

解答: e

113D55の解説

遺伝カウンセリングに訪れた24歳男性。球脊髄性筋萎縮症はX染色体劣性遺伝〈XR〉である。妹への遺伝病の影響を心配している。
a 患者には知る権利があるため、本人が真実を知ることを拒否しない限り隠してはならない。
b (Lyon現象を考えないものとすると)XR疾患は女性には発症しない。が、万が一この疾患が女性にも発症しうるとしても、こころの準備やサポート体制等を早期に構築することは重要である。症状が出る前に行動する必要がある。
c 遺伝子検査を行うことを決めるのも患者本人の意志である。医師が勝手に決めるものではない。また、非発症者であるため緊急性はない。未成年者は自律的判断ができないと考え成人するまで遺伝子検査の実施を待つことも大切である。
d (Lyon現象を考えないものとすると)XR疾患は確かに女性には発症しない。が、その子供に遺伝する可能性もある。本人の希望があれば遺伝子検査を行うべきだ。
e 正しい。まずは情報提供を行うことが大切だ。

正答率:80%

テーマ:遺伝カウンセリングでの適切な対応

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