113D52

72歳の女性。消化管出血で緊急入院し、精査の結果、直腸癌と診断された。手術の方針とし、術前放射線療法とともにリハビリテーションを行うこととした。既往歴は10年前から高血圧症で、降圧薬を内服している。意識は清明。身長152cm、体重41kg。体温36.7℃。脈拍88/分、整。血圧118/78mmHg。呼吸数20/分。SpO2 97%(room air)。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。眼振を認めない。閉眼で睫毛徴候を認めない。鼻唇溝は対称だが流涎を認め、ろれつが回らない。舌の萎縮を認めない。四肢に筋力低下を認めない。つぎ足歩行は可能で、片脚での立位保持時間は10秒。血液所見:赤血球341万、Hb 10.7g/dL、白血球3,700、血小板17万。血液生化学所見:アルブミン3.0g/dL、総ビリルビン0.4mg/dL、AST 14U/L、ALT 6U/L、ALP 174U/L(基準115~359)、γ-GTP 23U/L(基準8~50)、CK 92U/L(基準30~140)、尿素窒素18mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、Na 143mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 108mEq/L。CEA 6.3ng/mL(基準5以下)、CA19-9 73U/mL(基準37以下)。CRP 0.7mg/dL。頭部MRIのT2強調像を別に示す。

周術期のリハビリテーション計画の立案に際し必要な検査はどれか。

脳波
嚥下機能検査
重心動揺検査
針筋電図検査
顔面神経伝導検査

解答: b

113D52の解説

直腸癌の診断にて手術の方針となった72歳女性。流艇と構音障害を認め、頭部MRIでは多発する高信号を認めることからラクナ梗塞であることがわかる。
a 意識清明で、痙攣の既往もないことから脳波検査の意義は低い。
b 正しい。流艇と構音障害を有しており、嚥下障害の可能性を考える。
c 重心動揺検査とは平衡感覚をみる検査である。現時点でつぎ足歩行可能であり、検査の必要はない。
d 筋疾患を疑うような筋力低下エピソードはなく必要ではない。
e 顔面神経の障害であれば非対称性である。鼻唇溝は対称であることから必要性は低い。

正答率:89%

テーマ:周術期のリハビリテーション計画立案に必要な検査

フォーラムへ投稿

関連トピック