113D53

右肺癌術後の72歳男性。術前術後の経過に特に異常を認めていない。
ａ　現在Hb 11.2g/dLとやや低下しているものの十分量であり、術中の出血量も正常範囲内であるので輸血を要する状態ではない。
ｂ　ウォーターシールとは、胸腔ドレーンにある滅菌蒸留水のことで、胸腔と外界を遮断するためのものである。胸腔から空気が排出されれば当然気泡が見られる。術後の正常所見である。廃液はまだみられるのですぐに抜去するものではない。
ｃ　アルブミンはやや低下しているものの、浮腫など症状はでておらず、補充するほどではない。
ｄ　喘息発作やアレルギー症状がみられる際には投与を検討するが、現時点では不要である。
ｅ　正しい。呼吸リハビリテーションとは、呼吸筋の柔軟性を保持・改善することで、楽に呼吸をし、QOLを改善させるものである。本症例は長年の喫煙歴により1秒率は低下している上に右下葉を切除したので、呼吸機能が更に低下することが懸念される。また、術後の疼痛により浅い呼吸になったり、喀痰困難になり無気肺や肺炎といった合併症を起こしやすくなったりする。呼吸リハビリテーションによりこれらを改善することが期待される。