113D50

72歳の男性。6か月前からの頻尿を主訴に来院した。1日に何度もトイレに行きたくなることがあるが、咳やくしゃみをしたときに尿が漏れることはない。1か月前から排尿時の違和感を感じるようになり、軽快しないため受診した。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血1+、沈渣は赤血球5~9/HPF、白血球5~9/HPF。血液所見:赤血球442万、Hb 14.0g/dL、Ht 40%、白血球7,400、血小板24万。血液生化学所見:総蛋白6.9g/dL、アルブミン4.3g/dL、総ビリルビン1.2mg/dL、AST 21U/L、ALT 15U/L、尿素窒素22mg/dL、クレアチニン1.0mg/dL、尿酸8.6mg/dL、血糖94mg/dL、総コレステロール192mg/dL、Na 142mEq/L、K 4.6mEq/L、Cl 106mEq/L。腹部超音波検査で水腎症を認めない。腹部エックス線写真(A)及び腹部単純CT(B)を別に示す。砕石術を行ったところ、赤レンガ色の結石を排出した。

再発予防に有効な薬剤はどれか。

アロプリノール
サイアザイド系利尿薬
チオプロニン
ビタミンD製剤
ベンズブロマロン

解答: a

113D50の解説

高齢男性の頻尿。「砕石術を行ったところ、赤レンガ色の結石を排出した」という末尾の記載から尿路結石であることは歴然なのだが、診断のポイントは画像である。Aでは骨盤内にそれと思しき影がみられるものの、はっきりしない。一方、Bでは膀胱内に複数の高吸収域がみられ、膀胱結石と分かる。エックス線単純撮影で見えにくく、CTで鮮明に見えるタイプの尿路結石は①キサンチン結石、②尿酸結石、③シスチン結石、の3つが有名。今回は尿酸8.6mg/dLと上昇しており、尿酸結石が考えやすい。
a 正しい。アロプリノールには尿酸産生を抑制する作用がある。
b サイアザイド系利尿薬は血中尿酸値を上昇させる副作用があるため、逆効果。
c チオプロニンはシスチン結石の予防と治療に有効な薬剤。
d 血中カルシウムを増加させることで、尿中カルシウムも増え、結果カルシウム結石のリスクとなる。
e ベンズブロマロンは尿中へ尿酸排泄を促進させる薬剤。ゆえに尿酸結石のリスクとなる。

正答率:81%

テーマ:尿路結石(尿酸結石)の再発予防に有用な薬剤

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