113D37

14歳の男子。陰嚢の疼痛を主訴に来院した。午前0時に右陰嚢の疼痛が出現した。陰嚢の疼痛は増悪し、悪心と嘔吐がみられるようになったため、午前5時に受診した。体温37.1℃。脈拍92/分、整。血圧120/58mmHg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。右陰嚢が発赤、腫脹し、触知すると激痛を訴える。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に赤血球を認めず、白血球1~4/HPF。血液所見:赤血球462万、Hb 13.6g/dL、Ht 39%、白血球7,100、血小板20万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL、アルブミン4.0g/dL、AST 27U/L、ALT 14U/L、尿素窒素9mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL。CRP 0.3mg/dL。陰嚢部の超音波像を別に示す。

行うべき治療はどれか。

陰嚢部の冷却
緊急手術
抗菌薬の投与
動脈塞栓術
尿道カテーテル留置

解答: b

113D37の解説

14歳男子の突発した陰嚢痛。右陰嚢が発赤、腫脹し、触知すると激痛を訴えている。画像では左精巣(健常)と比べ、右精巣の腫大と血流低下がみられる。精巣捻転症の診断。
a 冷却によって治癒する疾患ではない。
b 正しい。精巣機能が廃絶する前に緊急手術を行う。
c 細菌感染ではないため、抗菌薬投与は無効。
d むしろ血流が届いていない病態である。動脈塞栓術は逆効果。
e 尿道狭窄があるわけではないため、尿道カテーテル留置は無効。

正答率:100%

テーマ:精巣捻転症の治療

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