113D36

55歳の女性。右膝関節痛を主訴に来院した。5年前関節リウマチを発症し、最近は抗IL-6受容体抗体の投与により、関節リウマチのコントロールは良好であった。数日前から右膝関節痛が生じたため受診した。体温37.0℃。右膝に発赤、腫脹および熱感を認めるが、他の関節には腫脹、圧痛を認めない。血液所見:赤血球380万、Hb 10.1g/dL、Ht 31%、白血球9,800(桿状核球16%、分葉核好中球70%、単球4%、リンパ球10%)、血小板23万。CRP 1.2mg/dL。

初期対応として適切なのはどれか。

関節穿刺
抗菌薬の投与
抗核抗体の測定
関節MRIの撮影
ステロイドパルス療法

解答: a

113D36の解説

中年女性の右膝関節痛。関節リウマチの背景があるも、すでにコントロールは良好とのことで、異なる原因も視野にいれるべきだ。右膝には発赤、腫脹および熱感を認めており、体温・好中球・CRPが軽度上昇している。右膝関節痛の原因を同定すべく何をすればよいか、考えさせる問題。診断はつかないが、化膿性関節炎や結晶誘発性関節炎が考えやすい。
a 正しい。関節穿刺により関節液を採取し、性状を確認したり、病原体を検索したりすることが可能。
b 細菌感染と断言することはできない。
c 抗核抗体が関連する疾患が原因と断言することはできない。
d 関節MRIでは関節の内部構造が詳細に見えても、原因菌を同定したり、結晶の有無を検索したりすることができない。
e 診断もつけず治療を行うのは好ましくない。

正答率:62%

テーマ:関節炎の初期対応

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