113D17

14歳の女子。発熱を主訴に祖母に連れられて来院した。4日前から発熱を認め、2日前から両側眼瞼の腫脹と両側頸部に腫瘤を触れるのに気が付いた。本日も解熱しないため受診した。体温38.9℃。脈拍92/分、整。呼吸数20/分。SpO2 98%(room air)。四肢、体幹に発疹を認めない。両側眼瞼の腫脹を認める。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に黄染や充血を認めない。口蓋扁桃は発赤し白苔を認める。両側頸部に径2cmのリンパ節を数個ずつ触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を2cm、左肋骨弓下に脾を3cm触知する。

診断に有用な血液検査項目はどれか。

CK
アルブミン
アミラーゼ
クレアチニン
末梢血白血球分画

解答: e

113D17の解説

発熱を主訴に来院した14歳女子。口蓋扁桃の腫脹と発赤、白苔の付着に加え肝脾腫を認め、伝染性単核球症〈IM〉を疑う。
a 筋疾患を疑う症状はなく、検査の意義はない。
b 眼瞼の腫脹を認めるが下腿に浮腫はなく、アルブミン測定の意義はない。
c アミラーゼは膵臓由来と唾液腺由来に大別され、急性膵炎や急性耳下腺炎に罹患した際に上昇する。
d 同じく扁桃腫脹と白苔を認める溶連菌感染症であれば数週後に腎障害を認める可能性があり、クレアチニン値は重要である。本症例では不要である。
e 正しい。伝染性単核球症であれば異型リンパ球を認める。

正答率:96%

テーマ:伝染性単核球症〈伝染性単核症〉〈IM〉の血液検査項目

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