113C43

22歳の男性。就職時の健診で尿糖陽性を指摘され来院した。健診では、他の異常は認められなかった。健診時は朝食後に検査を受けたという。家族歴に特記すべきことはない。喫煙歴と飲酒歴はない。身長170cm、体重62kg。脈拍72/分、整。血圧118/70mmHg。経口グルコース負荷試験〈75gOGTT〉の結果を示す。

血糖(mg/dL) 尿糖(定性)
負荷前 86 (-)
負荷後30分 186 2+
負荷後1時間 142 1+
負荷後2時間 90 (-)

適切なのはどれか。

対応は不要
自宅での尿糖自己測定の指示
α-グルコシダーゼ阻害薬投与
28kcal/標準体重kgの食事指導
経口グルコース負荷試験〈75gOGTT〉の再検査

解答: a

113C43の解説

若年男性の尿糖陽性。糖尿病など尿糖陽性となる疾患も考えたいが、朝食後に検査を受けたとのことで、たまたま尿中に糖が出てしまった可能性も否定してはならない。75gOGTTの結果でも糖尿病の診断基準は満たさず、負荷後30分と1時間でのみ尿糖が陽性となっている。体質的に糖摂取後に尿糖が出やすい病態である腎性尿糖を疑う。
a 正しい。腎性尿糖に病的意義はないため、対応は不要である。
b aで示したように病的意義はなく、自宅での尿糖自己測定を行う必要はない。
c・d 糖尿病と考えた際に考慮される対応。
e 75gOGTTはその性質上、短期間に何度も反復して行う検査ではない。

正答率:80%

テーマ:腎性尿糖への対応

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