113A56

81歳の女性。脳梗塞後のリハビリテーションのため入院中である。細菌性肺炎を併発し、2週間前から抗菌薬による治療を受けていた。1週間前から腹痛、下痢を訴えるようになり、昨日から下痢が頻回になった。意識は清明。身長156cm、体重41kg。体温37.9℃。脈拍80/分、不整。血圧146/90mmHg。呼吸数16/分。SpO2 96%(鼻カニューラ3L/分酸素投与下)。心音に異常を認めない。両側胸部にcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。左下腹部に圧痛を認める。左上下肢に不全麻痺を認める。血液所見:赤血球358万、Hb 10.9g/dL、白血球13,300、血小板19万。血液生化学所見:総蛋白5.7g/dL、アルブミン2.9g/dL、総ビリルビン0.9mg/dL、AST 26U/L、ALT 19U/L、LD 245U/L(基準176~353)、クレアチニン1.1mg/dL、血糖98mg/dL、HbA1c 7.1%(基準4.6~6.2)、Na 138mEq/L、K 3.4mEq/L、CI 101mEq/L。CRP 3.1mg/dL。

次に行うべき検査はどれか。

ベロトキシン
β-D-グルカン
便中Helicobacter pylori抗原
便中C.difficileトキシン
結核菌特異的全血インターフェロンγ遊離測定法〈IGRA〉

解答: d

113A56の解説

脳梗塞後のリハビリテーションのため入院中の高齢女性。2週間前から抗菌薬による治療を受けていたという。昨日から下痢が頻回になり、吸収不良により低蛋白血症を呈している。偽膜性腸炎が考えやすい。
a ベロトキシンは溶血性尿毒症症候群〈HUS〉の原因となる。
b β-D-グルカンは真菌感染を疑った際に測定する。
c Helicobacter pylori関連疾患ではない。
d 正しい。C.difficileが原因となる病態である。
e IGRAは結核感染を疑った際に実施する。

正答率:99%

テーマ:偽膜性腸炎疑い患者の検査

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