113A31

78歳の男性。特別養護老人ホームの入所前検査で梅毒血清反応に異常がみられたため受診した。梅毒を罹患し治療を受けたことがある。RPR 1倍未満(基準1倍未満)、TPHA 640倍(基準80倍未満)。明らかな皮疹を認めない。

対応として適切なのはどれか。

「治療の必要はありません」
「抗核抗体検査を行います」
「ペニシリン内服で加療を行います」
「7日以内に保健所への届出が必要です」
「3か月後に血清抗体価の再検査を行います」

解答: a

113A31の解説

梅毒の既往がある78歳の男性。現在症状はない。RPR法が病勢を表し(現在罹患している)、TPHA 法が既感染で上昇することを知っていれば容易に解ける。
a 正しい。症状がなく、RPR法で陰性であることから現在は治癒しており治療の必要はない。
b 抗核抗体は膠原病にて上昇する。RPR法が陽性で症状がない状態が長期続く場合には生物学的偽陽性を考えて検査を行う必要があるが、今回はRPR法陰性であり必要ない。
c ペニシリン内服は梅毒の治療法であるが、現在は治癒後であり必要ない。
d 既感染なだけであるため、保健所への届出は不要。
e RPR法は4週以降、TPHA法は6週以降陽性となる。感染が疑わしい患者で感染初期の場合には再検査を行う必要がある。

正答率:84%

テーマ:TPHA陽性・RPR〈STS法〉陰性梅毒への対応

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