113A28

3歳の男児。生後1か月ころに心雑音を指摘され、心エコー検査で診断、経過観察されていた。シャント疾患の精査のために施行された心臓カテーテル検査の心腔内酸素飽和度を以下に示す。

上大静脈:82.5%、下大静脈:87.8%。

右心房:92.9%、右心室:91.3%、肺動脈:92.8%。

左心房:98.9%、左心室:98.5%、大動脈:98.4%。

最も考えられるのはどれか。

心室中隔欠損症
心房中隔欠損症
動脈管開存症
大動脈縮窄症
Ebstein奇形

解答: b

113A28の解説

生後1か月ころから心雑音を指摘されフォローを受けていた3歳男児。心腔内酸素飽和度を読み取ることとなるが、上大静脈で82.5%だった酸素飽和度が右房で92.9%と上昇しているのは健常人ではありえない。左房から右房への短絡路〈シャント〉が存在すると思われ、心房中隔欠損症〈ASD〉が考えやすい。
a 心室中隔欠損症は左心室と右心室の間に短絡路が存在する疾患で、右心室の酸素飽和度は上昇するが、右心房のそれは低いままである。
b 正しい。上記の通り。
c 動脈管開存症は大動脈と肺動脈に短絡路が存在する病態。右心房、右心室の酸素飽和度は低いままで、肺動脈のそれは上昇するはずである。
d 大動脈縮窄症は文字通り大動脈峡部に狭窄をみる病態であり、複合型でない限り短絡路はない。
e Ebstein奇形は三尖弁の中隔尖と後尖が右室へ落ち込むために、右房化右室をみる病態である。心房中隔欠損症〈ASD〉を合併し、その部分で右→左シャントを呈することが多く、その場合左房の酸素飽和度が低下するはずである。

正答率:92%

テーマ:心房中隔欠損症〈ASD〉の診断

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