113A29

73歳の男性。健診で胸部エックス線写真の異常陰影を指摘されて受診した。65歳から高血圧症で内服治療中。喫煙歴は20本/日を50年間。気管支内視鏡下擦過細胞診で腺癌と診断された。FDG-PETでは腫瘤に一致して集積を認める。他の部位には異常集積を認めない。胸部エックス線写真(正面)(A)及び胸部CT(B)を別に示す。

治療方針を決定するために行うべき検査はどれか。

呼吸機能検査
腫瘍マーカー
嚥下機能検査
喀痰培養検査
腹部超音波検査

解答: a

113A29の解説

健診で胸部エックス線写真の異常陰影を指摘されて受診した73歳の男性。高血圧症の既往と喫煙歴がある。細胞診で腺癌と診断されたが、FDG-PETでは転移は確認されていない。胸部エックス線写真では左肺上部に陰影を認め、胸部CTでは同部位にスリガラス状の陰影を認める。陰影は1箇所のみ、全身に転移がないことから病期はIA期であることがわかる。
a 正しい。IA期の治療方針は可能であれば手術である。喫煙歴を有しており、呼吸機能検査にて手術に耐えうるかどうか評価する。
b 肺腺癌と診断がついている以上腫瘍マーカーは上昇しているであろうし、治療方針の決定には影響しない。
c 嚥下機能検査は食事開始の指標にはなるが、肺癌の治療方針には影響しない。
d 感染徴候もなく、検査の必要性がない。
e FDG-PETで全身の転移を評価しているので必要ない。

正答率:86%

テーマ:肺腺癌の治療方針決定(手術可能性の判断)に行うべき検査

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