112E27

56歳の男性。1週間前からの右眼の霧視を主訴に来院した。15年ほど前から職場の健康診断で高血糖を指摘されていたが、受診していなかった。先月内科を受診したところHbA1c 11.5%(基準4.6〜6.2)であった。視力は右0.3(0.6×-0.75D)左0.7(1.2×-1.0D)で、眼圧は右眼20mmHg、左眼14mmHg。右眼の眼底写真(A)と蛍光眼底写真(B)とを別に示す。

対応として適切なのはどれか。

抗菌薬点眼
硝子体手術
網膜光凝固
抗緑内障薬点眼
副腎皮質ステロイド経口投与

解答: c

112E27の解説

典型的な糖尿病網膜症。Aでは硬性白斑と軟性白斑、眼底出血が、Bでは毛細血管瘤と無血管野、新生血管と思しき像がみてとれる。
a 細菌感染に有用。
b 硝子体出血を呈したケースで有用。
c 正しい。網膜光凝固は糖尿病性網膜症の代表的な治療である。
d 右の眼圧が基準値上限程度まで上昇しているが、本症例は緑内障ではない。
e 糖尿病患者に副腎皮質ステロイド薬は血糖値を上昇させる作用があるため用いない。

正答率:90%

テーマ:糖尿病網膜症への対応

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