112D65

26歳の女性。会議中に突然起こった動悸を主訴に来院した。以前から同様の規則的に早く打つ動悸が年に数回あるという。気管支喘息で治療中である。意識は清明。脈拍148/分、整。血圧104/52mmHg。呼吸数20/分。心雑音と肺雑音とを聴取しない。心電図を別に示す。

対応として適切なのはどれか。2つ選べ。

硝酸薬投与
ベラパミル投与
アトロピン投与
イソプロテレノール投与
Valsalva手技

解答: b,e

112D65の解説

突然の動悸を主訴に来院した若年女性。心電図ではP波がはっきりせず、幅の狭いQRS波が規則的に並ぶ頻脈である。発作性上室性頻拍〈PSVT〉と診断する。気管支喘息の背景があるため、(本問の選択肢には入っていないが)ATPは治療に使えないことを確認しておこう。
a 硝酸薬は冠血管拡張薬である。急性冠症候群や冠攣縮性狭心症の際に用いる。
b 正しい。ベラパミル投与にて速やかに停止する。ATP急速静注という方法もあるが、これは喘息患者には禁忌の薬剤であるため注意してほしい。
c アトロピンは徐脈の際に投与する。
d イソプロテレノールはβ刺激薬である。徐脈の際に投与する。
e 正しい。「息こらえ」と呼ばれるもので、胸腔内圧を上昇させることで迷走神経を刺激する。これにより心拍低下が期待できる。

正答率:92%

テーマ:発作性上室性頻拍〈PSVT〉への対応

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