112D60

66歳の男性。黒色便を主訴に来院した。今朝、排便したところタール状の下痢便であったため受診した。意識は清明。身長168cm、体重56kg。体温36.2C。脈拍88/分、整。血圧102/70mmHg。呼吸数14/分。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球340万、Hb 10.5g/dL、Ht 31%、白血球8,800、血小板29万。血液生化学所見:尿素窒素20mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、CEA 6.5ng/mL(基準5.0以下)。CRP 0.8mg/dL。上部消化管内視鏡像を別に示す。腹部造影CTでは他の臓器に異常を認めず手術を行うことにした。

この患者の手術術式として適切なのはどれか。

胃局所切除術
胃空腸吻合術
胃全摘術
大綱被覆術
幽門側胃切除術

解答: c

112D60の解説

高齢男性の黒色便。実質的に画像一発であろう。噴門寄り胃小彎側の3型胃癌である。
a 進行胃癌に対して、局所切除は行わない。
b 幽門狭窄病変による通過障害を改善させるための対症療法。
c 正しい。全摘が必要と考えられる。
d 潰瘍の穿孔時に用いられる術式。
e 病変は噴門寄りにあり、幽門側を切除するのでは不十分。

正答率:73%

テーマ:進行胃癌の手術術式

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