112D61

48歳の女性。尿の泡立ちを主訴に来院した。半年前にネフローゼ症候群を発症し、腎生検で微小変化群と診断された。副腎皮質ステロイドの処方後2週間で完全寛解し、4か月前からは投与量を漸減していた。2週間前の外来で、体重52kgで浮腫を認めず、尿蛋白(―)、尿潜血(―)、血清アルブミン4.4g/dL、総コレステロール210mg/dLだったため、副腎皮質ステロイドを10mg/日から10mg/隔日に減量したが、4日前から尿の泡立ちが強くなってきたため受診した。体重54kg。脈拍76/分、整。血圧120/60mmHg。両下腿から足背に軽度の圧痕性浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、潜血(―)、沈渣に卵円形脂肪体を認める。血液生化学所見:アルブミン3.5g/dL、尿素窒素15mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、総コレステロール290mg/dL。

対応として適切なのはどれか。

再度の腎生検
現在の治療を継続
リツキシマブ投与
アルブミン製剤投与
副腎皮質ステロイド増量

解答: e

112D61の解説

微小変化群でステロイド治療中の中年女性。尿の泡立ちは尿中タンパク含有量が多いことを示唆する。ステロイド減量後に症状が強くなっているため、再び増量する流れとなる。
a すでに診断はついており、再検は不要。
b 現在の治療ではコントロール不良であるため、現実的ではない。
c ステロイド依存例、頻回再発例にリツキシマブが使用される。が、本例ではステロイド減量中での初めての再燃であり、まずステロイドの増量を行うのが一般的。
d 血中アルブミンは3.5g/dLと比較的保たれており、補充する必要性は低い。むしろ補充しても漏出が続いてしまうため、無効である。
e 正しい。上記の通り。

正答率:80%

テーマ:微小変化型ネフローゼ症候群〈MC〉再発への対応

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