112C52

検査所見(来院時):血液所見:赤血球356万、Hb 9.7g/dL、Ht 35%、白血球4,000、血小板8.6万、PT-INR 1.3(基準0.9〜1.1)。血液生化学所見:総蛋白6.4g/dL、アルブミン3.0 g/dL、総ビリルビン6.3mg/dL、直接ビリルビン2.1mg/dL、AST 78U/L、ALT 62U/L、LD 303U/L(基準176〜353)、ALP 452U/L(基準115〜359)、γ-GTP 103U/L(基準8〜50)、アミラーゼ95U/L(基準37〜160)、アンモニア170μg/dL(基準18〜48)、尿素窒素28mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、尿酸5.9mg/dL、血糖98mg/dL、総コレステロール106mg/dL、トリグリセリド90mg/dL、Na 132mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 100mEq/L、α-フェトプロテイン〈AFP〉468ng/mL(基準20以下)。CRP 1.0mg/dL。腹部超音波像(A)と腹部造影CT(B)とを別に示す。

次に行うべき検査はどれか。

FDG-PET
腹腔動脈造影
上部消化管内視鏡
下部消化管内視鏡
内視鏡的逆行性胆管脖管造影〈ERCP〉

解答: c

112C52の解説

血液所見でAFPが上昇しているのが気になる。画像Aにてhaloを伴ったモザイクが、B, Cにて早期相で染まり遅延相で抜ける、いわゆる「早染まり早抜け」パターンがみられていることから肝細胞癌〈HCC〉が出現していることがわかる。見落としてはいけないのが特にBにて顕著な胃静脈瘤だ。
a 全身転移の検索に用いる。有用でないとは言えないが、次に行うべきとも言えない。
b HCCの栄養動脈を精査するのに用いる。有用でないとは言えないが、次に行うべきとも言えない。
c 正しい。画像上、胃静脈瘤が発見できればこれが優先順位でトップに来ることがわかる。
d 胃静脈瘤が問題なわけで、下部消化管内視鏡は無効。
e 文字通り、胆管や膵管を評価する検査。本症例には無効。

正答率:37%

テーマ:【長文2/3】胃食道静脈瘤が疑われる肝硬変〈LC〉・肝細胞癌〈HCC〉患者への検査

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