112A53

23歳の初産婦。妊娠38週2日に陣痛発来のため入院した。これまでの妊娠経過は順調であった。午後0時に10分間隔の規則的な腹痛を自覚して受診した。来院時の内診で子宮口は3cm開大、児頭下降度はSP±0cm、卵膜を触知した経過観察をしていたところ午後3時に破水し、内診で子宮口は5cm開大、児頭下降度はSP+2cm、2時方向に小泉門を触知した。この時点での胎児心拍数陣痛図を別に示す。

現時点での対応として適切なのはどれか。

帝王切開
吸引分娩
β2刺激薬投与
オキシトシン投与
胎児心拍数陣痛モニターの継続監視

解答: e

112A53の解説

正期産にて陣痛発来した症例。本文を読む限り、早期破水していること以外特に問題はないようだ。あとは画像の読解であろう。基線は120拍/分程度と正常。子宮収縮に合わせて徐脈がみられている(鏡像関係)ため、早発一過性徐脈である。児頭圧迫を示唆する所見であり、特に病的意義はない。
a なんと10%強の受験生が本選択肢を選んでしまった。画像中、左から3つ目の徐脈はやや遅発に見えないこともないが、杞憂であろう。
b〜d 特にこれらの処置は不要。
e 正しい。このままモニターを継続監視すればよい。高確率で正常に復するはずだ。

正答率:76%

テーマ:分娩開始後、早発一過性徐脈をみた妊婦への対応

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