112A34

2歳の男児。入浴中に左右の陰嚢の大きさが違うのに気付いた母親に連れられて来院した。痛がることはないという。外陰部の外観と右陰嚢にペンライトを当てたときの写真を別に示す。

母親に対する説明で正しいのはどれか。

「陰嚢の左右差は多くは自然になくなります」
「陰嚢に針を刺して内容物を確認しましょう」
「腫瘍が疑われるので詳しく調べます」
「陰嚢内に腸管が出ています」
「緊急手術が必要です」

解答: a

112A34の解説

2歳男児の陰嚢腫大。画像より透光性は陽性であり、陰嚢水腫を考える。
a △。消去法的にこれしか選べないが、陰嚢水腫は半数以上が2歳ころに消退するとされる。ゆえに、2歳の段階で初めて気づかれて来院した本症例でこのように断言してよいものか、いささか疑問だ。
b 透光性陽性であり、水が溜まっていることは火を見るより明らか。穿刺して内容物を確認する必要はない。
c・d 精巣腫瘍やヘルニアであれば透光性は陰性。
e 手術を行うにしても、長期休み等に行えばよい。「緊急」は誤り。本選択肢が「もう少し様子をみて、変化がないようでしたら手術が必要となるかもしれません」くらい順当な記載であったならaよりこちらを選ぶこととなる。

正答率:91%

テーマ:陰嚢水腫を呈した児の母親への説明

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