112A33

60歳の女性。血便と腹痛とを主訴に来院した。以前から便秘がちで、最後の排便が5日前であった。2日前から腹痛を伴うようになり、新鮮血の排泄が数回あったために受診した。脂質異常症と糖尿病とで治療中である。体温36.7℃。脈拍92/分、整。血圧126/84mmHg。眼瞼結膜に貧血を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腹部に圧痛を認める。血液所見:赤血球430万、Hb 13.1g/dL、Ht 39%、白血球8,700、血小板19万。CRP 1.2mg/dL。下部消化管内視鏡検査を施行した。S状結腸の内視鏡像を別に示す。

対応として適切なのはどれか。

絶食
副腎皮質ステロイドの注腸
内視鏡的止血術
上腸間膜動脈塞栓術
大腸切除術

解答: a

112A33の解説

高齢女性の血便と腹痛。便秘、脂質異常症、糖尿病といった典型エピソードからの鮮血便であり、虚血性大腸炎を真っ先に思い浮かべたい。画像上も縦走潰瘍が指摘され、矛盾はない。
a 正しい。絶食による保存的治療とする。
b 潰瘍性大腸炎〈UC〉に有効。
c ピンポイントな(露出血管を指摘可能な)活動性出血に有効。
d 出血性疾患に用いる。本疾患の主病態はその名の通り虚血であり、逆効果。
e 大腸癌などで考慮される。
107A49のほぼ同一問題。

正答率:93%

テーマ:虚血性大腸炎の対応

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