112A35

68歳の男性。右頰部の腫脹を主訴に来院した。1年半前に右上顎癌と診断され、上顎部分切除術と放射線治療とを行い腫瘍は消失した。2週間前から右頰部が腫脹し、軽度の疼痛と違和感とを自覚した。これまでに副鼻腔炎の既往はない。喫煙は20本/日を48年間。飲酒は機会飲酒。身長165cm、体重48kg。体温36.8℃。尿所見に異常を認めない。血液所見:赤血球430万、白血球7,800、血小板15万。CRP 0.5mg/dL。顔面の写真(A)及び頭部MRIの水平断像(B)と冠状断像(C)とを別に示す。

最も考えられるのはどれか。

丹毒
上顎癌再発
急性副鼻腔炎
放射線皮膚炎
術後性上顎嚢胞

解答: b

112A35の解説

高齢男性の右頬部腫脹。1年半前のエピソードからは上顎癌の再発が疑わしいが、記載や画像より1つ1つ丁寧に消去していくアプローチが安全だ。
a 両側性に顔面が真っ赤になるはずだ(Aより否定的)。また、炎症症状も強い。
b 正しい。既往歴等、本文中の記載に矛盾せず、かつ画像上も矛盾ない。
c 炎症症状が出現する(発熱やCRP高値など)。
d B, Cでは確実な腫瘤影が指摘でき、ただの皮膚炎では説明がつかない。
e 数十年前の副鼻腔炎の手術歴があることが一般的。B, Cで充実性の信号を呈していることからも否定的(嚢胞であれば内部が均一で、水の信号を発するはず)。

正答率:74%

テーマ:上顎癌再発の診断

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