112A26

67歳の女性。不眠を主訴に来院した。1か月前から夜になると両足に虫が這うような不快な感覚を自覚していた。この不快感は安静にしていると増強するが、足を動かすことで軽減する。かかりつけ医からは経過をみるように言われたが良くならず、足を動かしたい欲求が強く寝つけなくなり受診した。四肢の筋トーヌスは正常で筋力低下を認めない。腱反射は正常で、Babinski徴候は陰性である。感覚障害と小脳性運動失調とを認めない。歩行に支障はなく、日常生活動作にも問題はない。血液生化学検査では血清フェリチンを含めて異常を認めない。

適切な治療薬はどれか。

β遮断薬
筋弛緩薬
抗コリン薬
ドパミン受容体作動薬
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬

解答: d

112A26の解説

高齢女性の「両足に虫が這うような不快な感覚」。これだけでもむずむず脚症候群〈Restless leg syndrome〉を想起することは容易であろう。足を動かすことで軽減すること、足を動かしたい欲求が強く寝つけないこと、など臨床像を確認しておこう。
a〜c・e いずれも本疾患の治療薬としては用いられない。
d 正しい。ドパミン受容体作動薬が有効。

正答率:85%

テーマ:むずむず脚症候群の治療薬

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