111I61

52歳の女性。徐々に増強する全身倦怠感を主訴に来院した。脈拍100/分、整。血圧90/60mmHg。呼吸数18/分。SpO2 99%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認める。心音はI音とII音の減弱を認める。心電図を別に示す。心エコーで心嚢液の貯留を認めた。

この患者で考えにくいのはどれか。

結核
尿毒症
悪性腫瘍
甲状腺機能亢進症
全身性エリテマトーデス〈SLE〉

解答: d

111I61の解説

中年女性の全身倦怠感。血圧の低下、頸静脈の怒張、心音減弱、心エコーでの心嚢液貯留、といった情報からは心タンポナーデを考えよう。心電図では全誘導での低電位を認めている。心タンポナーデの原因となりうる病態を幅広く鑑別させる良問だ。
a 結核による心膜炎は原因となる。
b 尿毒症による心膜炎は原因となる。
c 悪性腫瘍の心膜転移は原因となる。
d 誤り。甲状腺機能低下症にて心嚢液貯留がみられることはあるも、甲状腺機能亢進症は原因とならない。
e SLEによる心膜炎は原因となる。

正答率:80%

テーマ:心タンポナーデの原因となる病態

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