111I58

25歳の女性。関節痛を主訴に来院した。1年前から両側の手関節と中手指節関節の腫脹と疼痛とを自覚するようになった。市販の消炎鎮痛薬と貼付剤とで様子をみていたが、3か月前から関節痛が増悪し、1か月前からは家事をすることが困難となったため受診した。挙児希望はない。両側手関節および両側示指と中指の中手指節関節に腫脹と圧痛とを認める。皮疹は認めない。血液所見:赤血球430万、Hb 12.5g/dL、Ht 38%、白血球8,300、血小板23万。血液生化学所見:AST 14U/L、ALT 18U/L、LD 204U/L(基準176〜353)、ALP 258U/L(基準115〜359)、尿素窒素10mg/dL、クレアチニン0.5mg/dL。免疫血清学所見:CRP 3.1mg/dL、リウマトイド因子〈RF〉72IU/mL(基準20未満)、抗CCP抗体151U/mL(基準4.5未満)。B型とC型の肝炎ウイルス検査および結核菌特異的全血インターフェロンγ遊離測定法〈IGRA〉は陰性である。胸部エックス線写真で異常を認めない。両手エックス線写真を別に示す。

この患者にまず行う治療はどれか。

金製剤筋注
抗菌薬経口投与
コルヒチン経口投与
メトトレキサート経口投与
シクロホスファミド経口投与

解答: d

111I58の解説

若年女性の関節痛。手でみられている部位は、手関節と中手指節〈MP〉関節であり、両側性に出現していることと合わせて関節リウマチ〈RA〉を考える。リウマトイド因子と抗CCP抗体が高値を呈していることから診断となる。画像では手関節とMP関節を中心とした関節破壊と、手指の尺側偏位がみられる。
a かつて利用されたが、現在はRAにあまり用いられない。
b 細菌感染に有効。
c Behçet病や痛風に有効。
d 正しい。B/C型肝炎や結核が除外されており、メトトレキサートが使用可能。
e 血管炎症状を伴ったRAに有効。

正答率:92%

テーマ:関節リウマチ〈RA〉にまず行う治療

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