111I47

79歳の男性。排尿障害を主訴に来院した。10年前から骨転移を伴う前立腺癌に対してホルモン療法を受けているが、1年前から治療に抵抗性を示している。1か月前から頻尿と残尿感とを自覚していた。今朝から排尿障害と下腹部膨満感が出現したため受診した。意識は清明。身長165cm、体重63kg。体温36.2℃。脈拍80/分、整。血圧148/86mmHg。呼吸数16/分。下腹部に膨隆を認める。血液生化学所見:尿素窒素28mg/dL、クレアチニン1.5mg/dL、Na 135mEq/L、K 4.6mEq/L、Cl 116mEq/L、PSA 15.5ng/mL(基準4.0以下)。腹部超音波検査で両側水腎症と膀胱内の大量の尿貯留とを認める。

まず行うべきなのはどれか。

腎瘻造設術
腹部造影CT
骨盤部単純MRI
尿管ステント留置
尿道カテーテル留置

解答: e

111I47の解説

10年前から骨転移を伴う前立腺癌のホルモン療法を受けている高齢男性。1年前から治療抵抗性となり、1か月前より症状が増悪している。超音波所見で両側水腎症と膀胱内の大量尿貯留をみることから、まずはここから尿を除去することを考える。
a・d 膀胱内まで尿は到達しているため、これらの処置は有効でない。
b クレアチニンが上昇しており、この状況で造影検査は禁忌となる。
c 精査には有効であるが、現在の主訴を打破することにはつながらない。
e 正しい。まずは尿道カテーテルを留置し、排尿させることが優先される。

正答率:92%

テーマ:前立腺癌による尿閉にまず行うべき処置

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