111G49

77歳の女性。肺癌を原発とする第7頸椎の転移性骨腫瘍への放射線治療のため入院した。歩行時のふらつきを感じており、トイレでの排泄ができなくなることを心配している。意識は清明。両上肢筋力は正常、両膝伸展筋力は徒手筋力テストで4。頸部の運動時痛と右上肢異常感覚とを認める。腱反射の亢進はない。両足でのつま先立ちは困難である。側臥位となって起き上がることはできるが、ベッドからの立ち上がりには柵が必要である。伝い歩きは可能で腰痛はない。骨転移による病的骨折のリスクは患者と家族とに説明されている。全身骨シンチグラフィで下位頸推と右上腕骨近位端とに異常集積を認める。

在宅復帰に向けた生活管理で適切なのはどれか。

排泄管理はベッド上とする。
腰椎コルセットの装用を指導する。
両足でのジャンプ運動を励行する。
右側臥位から起き上がるように指導する。
立ち上がり時に右上肢を用いないように指導する。

解答: e

111G49の解説

肺癌の骨転移。頸椎転移であるため、脊髄や神経根を侵食し、神経障害と運動痛とがみられている。
a ふらつきを感じているも、歩行はできている。排泄管理をベッド上で行う必要はない。
b 腰痛はなく、腰椎の転移も記載がない。コルセット装用は不要である。
c 頸椎への骨転移があり、ジャンプのような強大な負荷をかけると圧迫骨折を惹起しかねない。
d 右上腕骨近位端にも骨転移が指摘されている。立ち上がり時に該当部位に刺激が加わると骨折してしまうかもしれない。
e 正しい。骨転移している部分に負荷をかけないような立ち上がりが奨励される。

正答率:73%

テーマ:転移性骨腫瘍患者の在宅生活管理

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