111G48

22歳の男性。行動の異常を心配した家族に連れられて来院した。自室に閉じこもり、つじつまの合わない言動がみられるという。幻聴、被害妄想および精神運動性障害を認めた。器質的な要因が認められず、統合失調症で入院が必要と診断され、父親の同意によって医療保護入院となった。しかし患者は「自分は病気ではない。入院の必要はない」と主張して退院請求を出すことを希望した。

患者への説明として正しいのはどれか。

「医療保護入院なので退院請求はできません」
「精神保健指定医は退院請求を却下できます」
「退院請求は精神保健福祉センター長に対して行います」
「退院請求の審査は精神医療審査会で行われます」
「審査結果はあなたではなく、病院に報告されます」

解答: d

111G48の解説

入院継続を拒否する統合失調症患者への対応。従来は入院時の入院形態を選ばせる問題が頻出であったが、本問は入院後の対応を聞いており、やや踏み込んだ出題と言える。
a 医療保護入院であっても退院請求はできる。
b 精神保健指定医に却下する権限はない。病院の管理者は退院を拒否できるが、その場合でも患者が都道府県知事へ退院請求を出すことができる。
c 退院請求は病院の管理者または都道府県知事に対して行う。
d 正しい。退院請求や処遇改善請求があった場合、都道府県等の精神医療審査会で審議される。ここで入院の要否や処遇の適・不適が審議される。
e 審査結果は都道府県知事から患者自身へ通知される。また、都道府県知事は病院へ退院命令を発令することができる。

正答率:50%

テーマ:医療保護入院の退院請求について

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