111E55

34歳の初産婦。妊娠38週5日に陣痛発来のため入院した。これまでの妊娠経過は順調であった。午前6時に10分周期の痛みを伴う規則的な子宮収縮が始まったため、午前6時30分に受診した。来院時の内診所見で子宮口は4cm開大、卵膜を触知し、児頭下降度はSP+1cm、3時方向に小泉門を触知した。Leopold診察法で児背を母体の左側に触知した。入院後、同日の午後4時に子宮口が全開大し、午後4時15分に自然破水、午後4時40分に児頭が発露した。午後4時49分、児の顔が母体の後方を向く方向から母体の右方を向く方向に回旋しながら児頭が娩出され、午後4時50分に児の全身が娩出された。分晩経過中の胎児心拍数陣痛図には異常を認めなかった。児は男児で出生体重は3,360gだった。頭部に骨重積を認めた。午後5時に胎盤が自然に娩出された。分娩時出血量は420mLだった。

この分娩の経過について正しいのはどれか。

適時破水である。
胎位は第2頭位である。
分娩時出血量は異常である。
分娩時間は10時間50分である。
児の右頭頂骨が左頭頂骨の下に入り込んでいる。

解答: a

111E55の解説

分娩の経過を本文から読み取り、1つ1つ選択肢の正誤を判定していくスタンダードな良問。
a 正しい。子宮口が全開大した後に自然破水しており、これは適時破水と定義される。
b 3時方向に小泉門を触知しており、第1頭位である。
c 出血量は500mL未満であり、正常量である。
d 午前6時〜午後5時が分娩時間に該当する。ゆえに11時間である。
e 骨重積は第1頭位では右頭頂骨が上となる。

正答率:88%

テーマ:正常分娩の過程について

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