111C31

検査の結果、急性冠症候群と診断した。

今後の対応として適切でないのはどれか。

酸素投与
硝酸薬投与
冠動脈造影
血栓溶解薬投与
心電図モニター装着

解答: d

111C31の解説

急性冠症候群〈ACS〉の初期対応を問うている。
a 酸素投与により心筋酸素供給を増やすことは有用である。
b 硝酸薬投与は心筋への血流を増加させるため必要である。ステント血栓症の場合はあまり効果がないかもしれないが、少なくとも悪いことではない。
c 冠動脈造影を施行し病変の有無を確認する。ステント血栓症または新規病変があれば引き続き血行再建を行う。
d 誤り。術後であり、血栓溶解薬は出血傾向を増悪させてしまう。
e ずっと心電図をつけていてはカテーテル室へ搬入できないので、心電図モニターに付け替える。急性冠症候群に合併する不整脈(心室細動や心室頻拍、徐脈性不整脈等)の発症をチェックする。もちろん除細動器もすぐにつかえるように準備しておきたい(循環器病棟以外の場所では意外と除細動器が近くにない場合がある)。
※なお、今回の症例で呼ばれたのは当直医である。読者諸君が今後何科へ進むにしても、ACSに遭遇する可能性は高い。医師の最低限の作法として覚えておいてほしい問題である。

正答率:90%

テーマ:【長文2/2】急性冠症候群〈ACS〉の治療

フォーラムへ投稿

関連トピック