111A57

50歳の男性。頭痛と動悸とを主訴に来院した。半年前ごろから時々排便時や運動中に突然、頭痛と動悸とを感じることがあった。15分程度安静にしていると症状は自然に治まるが少し脱力感を感じるという。職場の産業医に勧められて血圧を測定したところ、発作時は200/100mmHgを超えるが治まった後は110/60mmHg程度に下がるという。身長175cm、体重60kg。脈拍96/分、整。血圧150/92mmHg。身体所見に異常を認めない。尿所見:蛋白(±)、糖(−)、ケトン体(−)、潜血(±)。血液生化学所見:尿素窒素20mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、空腹時血糖118mg/dL、HbA1c 5.9%(基準4.6〜6.2)、Na 141mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 104mEq/L。胸部エックス線写真と安静時の心電図とに異常を認めない。

次に行うべき検査はどれか。2つ選べ

腹部CT
頭部MRI
運動負荷心電図
尿中カテコラミン定量
尿中遊離コルチゾール定量

解答: a,d

111A57の解説

突然発生する頭痛と動悸。発作性高血圧もみられ、褐色細胞腫を疑う。
a 正しい。副腎の腫瘍を同定可能。造影剤は使用せずに行うこと。
b 頭蓋内疾患を考えた際に実施する。
c 労作性狭心症などに有効。本症例では発作を誘発するだけであり、無効。
d 正しい。尿中のVMAやHVAといったカテコラミン代謝産物を測定する。
e Cushing症候群の検査である(See 111A36)。

正答率:90%

テーマ:褐色細胞腫の検査

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