111A51

65歳の男性。咳嗽を主訴に来院した。1か月前から乾性咳嗽が続いている。既往歴に特記すべきことはない。喫煙は20本/日を40年間。胸部エックス線写真で異常陰影を認める。喀痰細胞診で腺癌細胞を認める。胸部CTで縦隔リンパ節の腫大を認めない。頭部MRIで脳転移を認めない。肺野条件の胸部CT(A)とFDG-PETの全身像(B)とを別に示す。

適切な治療法はどれか。

放射線療法
抗癌化学療法
化学放射線療法
右肺部分切除術
縦隔リンパ節郭清を伴う右下葉切除術

解答: e

111A51の解説

肺腺癌の診断はついている。Aではspiculaを伴う特徴的な腫瘤影がみられている。縦隔リンパ節転移がなく、FDG-PET(B)上、遠隔転移もなさそうだ。ゆえにステージIIIには至っておらず、手術が可能となる。
a ステージIIIで用いることがある。
b ステージIVでメインに行われる。
c ステージIIIでメインに行われる。
d 臨床病期Ⅰ〜Ⅱ期非小細胞肺癌で外科切除可能な患者に対する術式は、肺葉以上の切除を行うことが推奨される。
e 正しい。dで示したように、肺葉切除を行い、リンパ節郭清もセットで実施する。

正答率:70%

テーマ:肺腺癌の治療

フォーラムへ投稿

関連トピック